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教員紹介

物理化学部門

古川行夫教授

古川行夫教授

分光学の理論と実験手段を用いて,物質(分子や分子集合体)の電子・振動状態を解析し,基礎化学の視点から化学現象を研究しています.具体的には,次のテーマに関して研究を進めています.(1) 赤外・ラマン分光学の新しい測定法の開発:赤外スペクトルの外部電場効果と振動シュタルク効果の測定[分光学の発展];(2) 高分子や有機無機ペロブスカイト結晶などの新規材料の電気的・光学的な性質の研究と太陽電池の開発[太陽光発電への応用];(3) 温室効果ガスである二酸化炭素の吸収剤における反応機構に関する研究[地球温暖化防止への応用].量子論に基づく基礎化学の視点からエネルギーと環境に関する化学現象を学ぶことは,「持続可能な社会」を作ってゆく上で重要です.

中井浩巳教授

中井浩巳教授

私の研究室(電子状態理論研究)は、化学・生命化学科において唯一の理論化学の研究室です。高校生が持つ「理論化学」のイメージは、物質量などの計算ではないでしょうか。私の研究室で行っている理論化学は、これとは全く別物です。原子・分子の性質を司る電子の運動(状態)を理論的に解き明かそういうのが理論化学の基本的立場です。電子の世界は古典力学のニュートン方程式では表すことができないため、量子力学のシュレディンガー方程式を解きます。このためには膨大な計算が必要なので、「京」コンピュータなどのスーパーコンピュータを駆使しています。最近では、人工知能(AI)技術も取り入れています。研究対象は、有機・無機化合物から生体物質や機能性材料まで多岐にわたっています。まさに、基礎こそ応用は広いと実感できるでしょう。

井村考平教授

井村考平教授

目に見える光,見えない光,光にはさまざまな種類がありますが,これらの光を駆使すると物質の構造や性質,また化学反応を高速かつ高精度に評価することができます。 私の研究室では,先端的な分光手法を開発しそれを使って物質の本質を探る研究を行っています。ナノメートルの空間分解能をもつ特殊な顕微鏡を使って金ナノ粒子を観察すると通常の世界で見る金と違いナノの世界では粒子が“しましま”に見えます。この“しましま”は,物質中の電子の波の性質に由来してい ます。物質の特長は,電子の波の性質によって変わります。先端的な顕微鏡や最新のレーザー技術を駆使することで,高速な電子の波の動きを連続的に撮影することができます。これにより物質の本質を追究し,さらにその機能を自在に操ることを目指して研究しています。

無機・分析化学部門

石原浩二教授

石原 浩二教授

純粋な物質であっても溶媒に溶かすと何種類もの別の物質に変化したり、また反応する部分をいくつも持っていたりする場合があります。化学反応のメカニズムを解明することは、溶液中のどのような物質がどの物質とどの部分でどのように反応するのかを知ることです。そのための有力な方法は、様々な条件で化学反応の速さを測定して詳しく解析することです。現在は、金属錯体の反応性や反応機構の研究の経験を基に、無機反応ばかりでなく化学反応全般の反応機構の解明や、新しい試薬の合成に取り組んでいます。特に、糖類や金属イオンのセンシングのメカニズムの解明や、新しいセンシング試薬の開発を行っています。

山口正教授

山口正教授

一つの分子の中に複数の金属イオンを含む集積型金属錯体や、金属イオンと架橋配位子から構成される1〜3次元の構造体(配位高分子あるいはMOFと呼ばれる化合物)は単純な単核錯体には無い性質を示すことから注目されている。特に、同一の環境にある金属イオンが異なる酸化状態を取る混合原子価状態は特異な性質を示し興味が持たれている。我々の研究室では、配位高分子中において混合原子価状態の発現が期待できるように、酸化還元活性な架橋配位子や金属イオンを用いて配位高分子を合成し、その機能を開発することを目指している。また、そのほかにも金属-金属間に直接共有結合を持つ多核錯体の構築法についても研究を行なっている。

有機化学部門

中田雅久教授

中田雅久教授

特徴的構造と有用な生物活性をもつ天然物の全合成を中心に研究を行っている。天然物の全合成は生気説の打破に似た挑戦的な研究であるが、有機合成化学の進歩に伴い迅速かつ効率的で量的供給可能な低環境負荷の全合成が求められている。そのためには全合成に寄与する新反応・手法の開発が必要であり、触媒反応、連続反応、反応集積化に焦点を当て研究を行っている。また、多くの生物活性天然物はキラルであるためキラリティーの効率的独立構築を可能とする不斉触媒反応の開発と新規不斉触媒の創製を進めている。そして効率的全合成からケミカルバイオロジーへの展開として、自然界に存在しない新規生物機能分子の創製と生物科学研究を行っている。

山本佳奈准教授

山本研究室では合成の効率化を目指した合成方法論や合成ルートの開発など、精密有機合成に関する様々な課題に取り組んでいます。目標は合成デザインを変えるような合成法や、酵素のように高い選択性と反応性のある環境に優しい触媒を開発することです。それらを用いた有用物質の合成にも取り組みます。現在力を入れているプロジェクトは、補酵素フラビンの誘導体を使った有機触媒を用いる酸化反応の開発とそれらを応用した修飾核酸の合成法開発です。研究を通して国際性と教養を身につけた一流のサイエンティストを養成することもまた目標の一つです。

鹿又宣弘教授

鹿又宣弘教授

分子に本来備わっている機能を見つけ,それらを引き出すことに焦点を当てた研究を行っています.中でも芳香族分子にアルキル鎖を巻き付けたシクロファンと呼ばれる分子を独自にデザインし,補酵素類似機能や金属触媒の配位子としての有用性を探索するとともに,シクロファン分子そのものを有機触媒として育てることに力を入れています.そのためには分子の形を働きに合わせて自在に整える必要があり,その手段として化学平衡を利用した分子構造の制御法の開発を手掛けています.また,これらの技術を応用した生物活性天然物やそのモデル分子,二酸化炭素吸収・放散性能を有する機能性アミンの合成研究も行っています.

柴田高範教授

柴田高範教授

有機化合物が持つリンや窒素などの非共有電子対が遷移金属に配位子した遷移金属錯体は、色々な有機反応の触媒として機能します。そして、用いる遷移金属と有機化合物(配位子という)の組み合わせで、その触媒の活性や種々の選択性を精密に制御できます。我々は、そのような遷移金属錯体の特性を巧みに利用し、過去に例がない新しい反応、中でも炭素骨格を構築できる炭素-炭素結合生成反応の開発を行っています。特に、結合が生成する際に新たなキラリティーを創出できるエナンチオ選択的な炭素-炭素結合生成反応の開発は、医薬品合成、あるいは機能性材料の出発物質として、多様な光学活性化合物を供給できるため、極めて付加価値の高い反応です。我々はより少ない量の触媒で、高い収率と立体選択性を実現できる触媒系の創製を目指しています。

生命化学部門

小出隆規教授

小出隆規教授

コラーゲンに特徴的な構造である、ポリペプチドの三重らせんに興味を持ち、その生合成、構造形成原理、機能について分子、細胞レベルで基礎研究を行っています。また、天然コラーゲンを模倣する(あるいは凌ぐ)人工コラーゲンを開発し、それを実際の医療に応用しようとしています。一方では、中分子創薬の実現のため、新しいアイデアに基づくペプチドライブラリーの構築と創薬リード化合物の探索研究も進めています。小出研究室では、化学と生物学、あるいは基礎と応用との間にある垣根を取っ払い、自由かつ柔らかな発想からの研究を行っています。異なる目的、題材、技術がマージしあうことによる総合的なアプローチが特色です。

寺田泰比古教授

寺田泰比古教授

寺田研究室では、1996年に、染色体分配と細胞質分裂制御に重要なタンパク質であるAurora B /AIM-1の遺伝子クローニングに世界で最初に成功しました。最新の研究では、Aurora BとPP2A、SETタンパク質が染色体分配における張力センサーとして機能し、正確な染色体の分配を行なっていることを明らかにしました(JCB, 2019)。姉妹動原体間に張力が働かない状態では0.4umの距離が、微小管による牽引力によって張力が働くと1.6um程度に開きますが、46本の染色体のセントロメアと呼ばれる領域には、この距離を正確に測定する張力センサーが存在しこの分子機構を解明しました。また、がん遺伝子の活性化やがん抑制遺伝子の不活性化などが起きるために細胞はがん化しますが、ヒトでもっともがんの原因になっているRasのシグナルを完全に遮断しがん細胞を正常細胞に復帰させることに成功しました。これらの研究成果は次世代の抗がん剤開発につながります。

中尾洋一教授

中尾洋一教授

健康、環境、食糧など、人類にとってはこれからもますます重要となるテーマについて、化学と生物を組み合わせたアプローチによって研究をしています。自然に存在する天然の有機化合物には様々な生物活性を有しているものも少なくありません。海洋生物や食品から見つけ出した天然の有機化合物を使って、遺伝子スイッチの調節をしたり、細胞の機能や性質をコントロールすることで生命現象を深く学び、健康長寿や環境保全に必要となる英知の構築に貢献してゆきたいと思っています。