研究内容


中田研究室では,生物活性天然物の不斉全合成研究を中心に,新合成反応新方法論の開発ケミカルバイオロジー研究を展開している.



1. 生物活性天然物の不斉全合成研究

不斉全合成を達成した生物活性天然物

  
     
     
  
     
     
     
     
     
     
     


2. 新合成反応、新方法論の研究


2-1.触媒的不斉野崎―檜山反応の開発

  • 不斉三座配位子を独自に設計、合成し、野崎―檜山反応の不斉触媒化に成功



2-1-1. 触媒的不斉野崎―檜山アリル化、メタリル化反応

  • 広い基質一般性を示す


  • 不斉配位子―クロム錯体は、水、空気に安定、リサイクル可能


  • 連続的に不斉配位子と試薬を加え、後処理をするだけで不斉中心を構築可能


2-1-2. 触媒的不斉野崎―檜山プロパルギル化反応

  • アレニルアルコールは生成せず、ホモプロパルギルアルコールのみ生成

2-1-3. 触媒的不斉野崎―檜山アレニル化反応

  • 世界初の成功例。DMS基は水素原子に置き換えられる。


2-2. 触媒的不斉分子内シクロプロパン化反応 (CAIMCP)

  • 生成物が高収率、高エナンチオ選択的に得られ、結晶性が良い。触媒量は1mol % 以下まで下げられる。更なる低触媒量化を検討中。


  • この不斉触媒反応は幅広い基質一般性を有する。


2-3. 生体不斉触媒を活用するキラルビルディングブロックスの創製

  • 2位にメチル基と保護されたヒドロキシメチル基を有するシクロアルカン-1,3-ジオンはパン酵母により高エナンチオ選択的、かつ高ジアステレオ選択的に還元される。


  • メチル基とフェニル基またはシンナミル基で置換されたマロン酸ジエステルはPig Liver Esteraseにより、高収率、高エナンチオ選択的に加水分解される。



3. ケミカルバイオロジー研究

3-1. 新規MK8383類縁物質および農園芸用抗カビ剤の開発
  • MK8383は優れた抗カビ活性を示し、農園芸用抗カビ剤として期待されたが、光に対し不安定であった。当研究室で達成した(+)-phomopsidin、MK8383の世界初の不斉全合成をもとに新規MK8383類縁物質の設計と合成を行ったところ、抗カビ活性を保持し、光安定性を獲得した新規化合物の創製に成功した。
copyright