研究室配属を希望する学生と大学院生へ

私たちの研究室はアカデミック分野や企業の研究所などで活躍できる人材を育成することに主眼をおいています。ですから、学部4年で寺田研究室へ配属される学生のほとんどが大学院へ進学します。一人前の研究者になるためには、「基礎的知識とともに、実験研究能力」を習得することが必要です。

分子生物学や細胞生物学の研究で正確なデータを得るためには、他の分野の研究と比べて長いトレーニング期間を必要とします。同じ実験をしても熟練者と初心者では全く違うデータになることが少なくありません。例えば、生きた100万個の細胞を用いて、細胞周期を同調したり、遺伝子を導入したり、ノックダウンしたりする上で、人によって効率が全く異なったり、アッセイの条件も異なるので、かなりの熟練した技術がなければ、生命系では再現性のあるデータを得ることはできません。そこに到達するまでにはかなりの忍耐力を必要とします。もともと生命系の実験が好きな学生は、”好きこそ物の上手なれ”で、試行錯誤の末、実験能力が比較的短い時間で身につく人もいますが、実験を”単なるコアタイムの仕事”としか考えていないような学生は、なかなかそこまで到達することができません。それ以前に、実験が苦痛となり、実験そのものに飽きてしまう学生もでてきます。そのため、4年生で配属され研究室に入って実験が好きになり半年くらいで正確なデータを出せる学生もいれば、修士までの3年間かかっても 全く何もデータを出せない学生がいます。信じられないことに細胞生物学の研究室なのに3ヶ月経ってもコンタミン(細菌などの感染)との闘いで実験デー タが全く得られないようなレベルの学生もいます。そしてこのようなレベルの学生は大抵。実験に飽きてしまいます。彼らにとって、私たちのような生命科学の実験科学の研究室で作業することは苦行以外のなにものでもありません。

自発的に最先端の研究に関して調べきっちり知識を身につけ、その上で先輩やスタッフと議論し、自ら仮説を立てて、実証し、国際競争に負けないように、論文や学会で発表することを目標にしています。特に、修士までの3年間で大変な努力をして高いレベルまで到達することができる学生は、将来、生命系の研究開発で是非、活躍していただきたいと考えています。なので、「強い研究に対するモチベーションと、将来、生命系の分野で絶対に研究開発をした いと希望する学生」に寺田研究室で研究していただきたいと考えています。学生一人が3年間で使う研究費は莫大で、また、保護者の方が学生のために払う学費もバカになりません。どちらもドブに捨てることがないように私たちの研究室で研究する限り、皆さんにはプロフェッショナルな研究者として将来、活躍できるようになっていただきたいのです。また、配属が決まってできるだけ早くスムーズに研究に着手することができるように、選択科目の”生命化学 D”は、寺田研ではmustです。”生命化学D”を受講した学生のみ、大学院への推薦を与えるようにしていますので必ず忘れずに受講するようにしてください。

現在,当研究室からの卒業生は,様々な研究所などで活躍しています。寺田研で3年間、研究を行えば、将来、生命系の研究開発を行う上で基本的な能力をほぼ身に付けることができます。プロフェッショナルになるための必要な知識と技術は必ず習得できます。実際に、先輩たちは、富士フィルムの再生研でヒトの肝細胞をiPSで作製、抗体医薬の開発、新しい診断法の開発、創薬のための新規標的探索など、生命系の研究開発の第一線で活躍している大変優秀な卒業生たちがたくさんいます。モチベーションが低く成績が優秀な学生よりも、成績が悪くても高いモチベーションを持つ学生の方がずっと伸び代があり大学院での研究では圧倒的に実力を発揮できるようになります。学部と大学院の成績が逆転することはよくあることです。後者の方が社会に出て必ず成功します。私たちの研究室は、このような強いモチベーションを持つ学生を必ずバックアップし応援します。

また、挨拶すらできない学生は社会に出てもどうしても役に立たない人材とnegativeに見られてしまいます。研究室配属が決まり、毎日、研究室 に来れば、まず、お互い、朝からせめて挨拶だけはできるようにしましょう。挨拶とは人と人との関係性を築くうえでの基本的な行為で幼稚園生でもできる ことなのですが、それすらできない学生は寺田研では成人ではなくとても幼い人格の学生だと見なされるので最低限の挨拶はできるように心がけましょう。

早稲田大学以外の大学からも、海外の学生も寺田研究室は広く門戸を開きます。また様々な分野からの意欲的な学生の参加を歓迎します。研究テーマについては研究内容を参照してください。研究室見学を希望される方,当研究室における研究に興味のある大学院受験を希望する学生は、メール (yterada@waseda.jp)で連絡してください。