研究概要

 海綿や、ホヤ、コケムシ等の海洋無脊椎動物からは、強い生理活性を有し、独特で多様な構造を持つ化合物が多く 発見されています。それらの天然化合物は無脊椎動物に共生している多様な海洋微生物によって生成された二次代謝物であるため、 一種の無脊椎動物から、非常に多くの種類の化合物が得られています。現在までに発見されている海洋天然物は2万種類以上であり、 現在でも毎年1000種類近くの新規化合物が発見されています。

概要1

 強い生理活性を有するため海洋天然化合物は、医薬品の探索源として期待されており、様々な生理活性を対象として研究が行なわれています。 現在までに、下図に示すように抗癌剤を中心として臨床を終了し、治療薬となった例も存在し、この他にも臨床段階にある化合物も多くあります。

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 本研究室では、これら海洋無脊椎動物から抗原虫・抗多剤耐性菌化合物の探索、また細胞分化制御、エピジェネティクス制御化合物の探索を主なテーマとし、 研究を行っています。

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