早稲田大学先進理工学部化学・生命化学科
柴田高範研究室 (反応有機化学研究室)

エンインの触媒的不斉[2+2+2]付加環化反応

アルケン部位に置換基(R2)を有する1,6-エンインと、アルキンとの反応において、 カチオン性ロジウム錯体を不斉触媒として用いると,分子間不斉[2+2+2]付加環化が高エナンチオ選択的に進行した。 そして、縮環部に不斉四級炭素中心を持つ二環性シクロヘキサ-1,3-ジエンが得られた。

本法は、付加環化反応を用いた不斉四級炭素構築の新規なアプローチである。

rhodium

さらに我々は、本反応の高いエナンチオ選択性を活かし、分岐型化合物である1,n-ジエンインの分子内不斉付加環化反応へと応用した。 その結果、置換基(R1、R2)の構造や、架橋部の長さ(m)により反応経路が異なり、 縮環型三環性、二環性、スピロ型二環性などの種々の多環状化合物が極めて高不斉収率で得られた。

いずれも従来構築が困難な不斉四級炭素を含む骨格である。

diene-yne

参考文献

  1. Shibata, T.; Arai, Y.; Tahara, Y. Org. Lett. 2005, 7, 4955–4957.
    Highlighted in Synfacts 2006, 48.
  2. Shibata, T.; Tahara, Y. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 11766–11767.
    Highlighted in Synfacts 2007, 69. & chosen as Synfact of the Month.
  3. Shibata, T.; Tahara, Y.; Tamura, K.; Endo, K. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 3451–3457.

総合論文

  1. 柴田 高範, 有機合成化学協会誌 2006, 64, 913–922.
  2. Shibata, T.; Tsuchikama, K. Org. Biomol. Chem. 2008, 1317–1323.
  3. 柴田 高範; 土釜 恭直, ファインケミカル (2008年5月号), 55–67.