早稲田大学中井研究室では、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業（CREST）「元素戦略を基軸とする物質・材料の革新的機能の創出」領域における研究課題「相対論的電子論が拓く革新的機能材料設計」にて相対論的量子化学計算プログラムRAQETの開発を行いました。相対論的量子化学の理論および計算手法の開発は、CREST研究の開始以前から中井研究室にて行っていました。開発された理論、計算手法の中でも局所ユニタリー変換（LUT）は、先行して量子化学計算計算パッケージGAMESSに実装されました[1]。LUT法を含めその他の様々な理論、計算手法がRAQETプログラムに実装されました。CREST研究課題終了後の2018年にはRAQETプログラムの論文が出版されました[2]。その後も同名のプロジェクトが早稲田大学理工学術院総合研究所にて継続しており、理論およびプログラムの開発も継続されています。本サイトではRAQETプログラムのシリアル版を扱っています。
- “Implementation of efficient two-component relativistic method using local unitary transformation to GAMESS program”
Y. Nakajima, J. Seino, M. W. Schmidt, H. Nakai, J. Comput. Chem. Jpn., 15, 68 (2016). - “RAQET: Large-scale two-component relativistic quantum chemistry program package”
M. Hayami, J. Seino, Y. Nakajima, M. Nakano, Y. Ikabata, T. Yoshikawa, T. Oyama, K. Hiraga, S. Hirata, H. Nakai, J. Comput. Chem., 39, 2333 (2018).