水分子を例としてDCDFTBMD計算の実行方法について説明します。
1.1. パラメータファイルの取得
DFTB計算は各原子に対するパラメータファイルが必要です。まずは必要なパラメータファイルをこちらからダウンロードできます。パラメータファイルは原子ペアごとに用意されています。水分子の場合は、以下のパラメータファイルを用います。
・H-H.skf, H-O.skf, O-O.skf, O-H.skf
1.2. インプットファイルの作成
インプットファイルは大きく4つのセクションに分かれています。詳細はマニュアルを参照ください。セクションの間には改行が必要です。
- キーワードセクション
計算条件を指定します。今回はDFTBの一点計算を実行します。デフォルトでは一点計算を実行します。 - タイトルセクション
計算についてのコメントを記述します。 - パラーメータセクション
DFTBのパラメータを指定します。まず、分子構造に含まれる原子種の数(水分子の場合は水素と酸素で二個)を指定します。次に、原子の種類を指定するラベルと原子軌道サイズを入力する。
水素:H, 1(s軌道)、酸素:O, 2(s,p軌道)
その後パラメータファイルの場所を参照パスで指定してください。パラメータファイルはすべての原子ペアごとに入れてください。
水素:H-H.skf H-O.skf、酸素:O-O.skf O-H.skf - 構造セクション
分子構造を指定します。まず、原子数・電荷・スピン多重度を指定します。その後分子構造をデカルト座標で指定します。
1.3. 計算実行
- インプットファイル、パラメータファイルや実行バイナリ(dftb_serial.00.x等)を同一ファイル内に保存する必要があります。
- 以下のコマンドでDCDFTBMDを実行します。
Serial版の場合
# ./dftb_serial.00.x - 計算終了後にdftb.outというファイルが生成されます。
1.4. 計算結果
“Execution of DCDFTBMD terminated normally …”という表示が最後に出たら計算成功です。