DCDFTBMDプログラム

早稲田大学中井研究室では、大規模量子化学分子動力学シミュレーションプログラムDCDFTBMDを開発してきました。このプログラム開発は様々な研究プロジェクトから支援を受けてきました。2011年ごろから、中井教授とIrle教授主導のもと分割統治(DC)法を密度強束縛(DFTB)法への適用を開始しました。当時、中井グループでは理論・応用の両面から精力的にDC法の研究を行っていました。実際に、小林博士らによって、DC法は量子化学計算プログラムパッケージ『GAMESS』へと実装されました[1]。一方、Irleグループでは、DFTBシミュレーションを用いた研究を進めてきました[2]。両者のそのような背景のもと、文部科学省のHPCI戦略プログラム (SPIRE) の分野2「新物質・エネルギー創成」と、計算物質科学イニシアティブ (CMSI) による支援によりプログラムの開発がはじまりました。西澤博士は,文部科学省が推進するFLAGSHIP2020プロジェクトの重点課題5「エネルギーの高効率な創出,変換・貯蔵,利用の新規基盤技術の開発」プロジェクトの一環として、DC-DFTB計算早稲田大学中井研究室では、大規模量子化学分子動力学シミュレーションプログラムDCDFTBMDを開発してきました。このプログラム開発は様々な研究プロジェクトから支援を受けてきました。2011年ごろから、中井教授とIrle教授主導のもと分割統治(DC)法を密度強束縛(DFTB)法への適用を開始しました。当時、中井グループでは理論・応用の両面から精力的にDC法の研究を行っていました。実際に、小林博士らによって、DC法は量子化学計算プログラムパッケージ『GAMESS』へと実装されました[1]。一方、Irleグループでは、DFTBシミュレーションを用いた研究を進めてきました[2]。両者のそのような背景のもと、文部科学省のHPCI戦略プログラム (SPIRE) の分野2「新物質・エネルギー創成」と、計算物質科学イニシアティブ (CMSI) による支援によりプログラムの開発がはじまりました。西澤博士は,文部科学省が推進するFLAGSHIP2020プロジェクトの重点課題5「エネルギーの高効率な創出,変換・貯蔵,利用の新規基盤技術の開発」プロジェクトの一環として、DC-DFTB計算の実装に大きく貢献しました。また、西村博士は、大規模な並列実装に加えてDC-DFTB法に基づく分子動力学 (MD) シミュレーションの実装を行いました。このプログラムは、“K”コンピュータ[3]のような大規模並列コンピュの実装に大きく貢献しました。また、西村博士は、大規模な並列実装に加えてDC-DFTB法に基づく分子動力学 (MD) シミュレーションの実装を行いました。このプログラムは、“K”コンピュータ[3]のような大規模並列コンピュータ用に設計されているため、DC-DFTB-Kと名付けられています。DCDFTBMDプログラムのシリアル版は、早稲田大学理工学研究所 (WISE) プロジェクト研究部「計算化学の社会的実装」の支援を受けて中井グループで同時に開発されました。さらに、DCDFTBMDプログラムのGPU版の開発は、日本学術振興会 (JSPS) による科研費基盤研究(S)「光受容性タンパク質の量子的分子動力学シミュレーションによる偏在プロトンの機能解明」の助成を受けて2018年に開始しました。本プログラムDCDFTBMDは全バージョンを網羅しています。

  1. Implementation of divide-and-conquer (DC) electronic structure code to GAMESS program package
    M. Kobayashi, T. Akama, H. Nakai, J. Comput. Chem. Jpn.8 (1), 1-12 (2009).
  2. “The C60 formation puzzle ‘solved’: QM/MD simulations reveal the shrinking hot giant road of the dynamic fullerene self-assembly mechanism”
    S. Irle, G. Zheng, Z. Wang, K. Morokuma, J. Phys. Chem. B110 (30), 14531-14545 (2006).
  3. “Three pillars for achieving quantum mechanical molecular dynamics simulations of huge systems: Divide-and-conquer, density functional tight-binding, and massively parallel computation”
    H. Nishizawa, Y. Nishimura, M. Kobayashi, S. Irle, H. Nakai, J. Comput. Chem.37 (21), 1983-1992 (2016).

研究紹介動画(文部科学省 ポスト「京」重点課題5)