科目名:分光化学
開設学期:後期
曜日時限:木曜日2時限
単位数:2
配当年次:3年生以上
科目区分:専門選択
講義概要:
物質の構造,物性,反応は,物質を構成する電子の状態に依存している.分子の電子状態を表す基礎的概念と実験方法である分光学を理解することを目的とする.電磁波と分光学,分子の電子状態,分子の振動状態,光の吸収,蛍光,りん光,許容遷移と振電遷移,群論,励起状態ダイナミックス,エネルギー移動,電子移動,自然放出と誘導放出,光の吸収と発光を記述する理論などに関して講義し,実例を通して理解を深める.
シラバス:
1章.電磁波と分光学
1-1.光 1-2.電磁波
2章.分子の電子状態
2-1.電子・振動・回転運動の分離 2-2.断熱ポテンシャル 2-3.分子振動
3章.光の吸収
3-1.モル吸光係数と吸収断面積 3-2.吸収断面積
4章.発光
4-1.蛍光とリン光スペクトルの測定 4-2.量子収率と寿命の測定法 4-3.励起スペクトル
5章.分子振動
5-1.調和振動子 5-2.多原子分子の振動 5-3.赤外吸収とラマン散乱
6章.群論の基礎
6-1.点群 6-2.表現行列 6-3.直積
7章.分光学と群論
7-1.分光学と群論 7-2.分子軌道と状態の対称性 7-3.遷移と群論
8章.許容遷移と振電遷移
8-1.許容遷移 8-2.振電遷移 8-3.スピン選択則
9章.いろいろな電子遷移
9-1.π−π*遷移 9-2.n−π*遷移 9-3.金属錯体
10章.励起状態ダイナミックス
10-1.励起状態間の遷移 10-2.励起状態の緩和と光化学反応
11章.光の吸収と放出の理論
11-1.時間に依存するシュレーディンガー方程式 11-2.自然放出と誘導放出 11-3.アインシュタインB係数の計算
12章.エネルギー移動の理論
12-1.フェルスター機構 12-2.デクスター機構 12-3.マーカスの理論
評価方法:定期試験(自筆ノート持込可)
レポート課題
2007分光化学レポート課題